心疾患と睡眠時無呼吸症候群

眠っている間に、心臓が悲鳴を上げているかもしれません

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、
「寝ているだけ」で心臓に大きな負担をかける病気です。
高血圧、不整脈、心不全、心筋梗塞――
放置すれば命に関わるリスクが高まります。

いびき、日中の眠気、夜間の頻尿、朝の頭痛…。
思い当たる方は、早めにご相談ください。

✅ こんな症状、ありませんか?

  • 大きないびきをかくと言われる

  • 寝ているとき、呼吸が止まっていると言われた

  • 朝起きたときに頭痛やだるさがある

  • 日中、強い眠気や集中力低下を感じる

  • 夜中に何度もトイレに起きる

  • 肥満傾向がある

  • 高血圧・不整脈を指摘されたことがある

ひとつでも当てはまるなら、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群が引き起こす心臓病

  • 高血圧(夜間に血圧が下がらない、朝高くなる)

  • 不整脈(特に心房細動)

  • 心不全(心臓のポンプ機能低下)

  • 心筋梗塞・脳卒中リスク増大

無呼吸で酸素が不足し、心臓に「負担」と「ダメージ」が重なり続けます。

治療せずにいると、突然死リスクが約2.5倍に上がるという報告もあります。

当院での診断と治療の流れ

  1. 問診・簡易チェック

  2. 自宅でできる睡眠検査(簡易検査・ポリソムノグラフィー)

  3. 重症度判定

  4. 重症例ではCPAP療法開始(簡易検査でRDI ≧40/時、精密検査でAHI≧20/時)

  5. 定期フォローアップ

自宅で簡単に検査できるので、まずはお気軽にご相談ください!

CPAP療法とは?

睡眠中に専用マスクで空気を送り、
気道を広げて無呼吸を防ぐ治療法です。

CPAP療法により…

  • 熟睡できる

  • 日中の眠気や疲労感が改善

  • 血圧・心臓への負担が軽減

  • 心筋梗塞・脳卒中の予防効果も

  • 認知症リスクの軽減

「症状がない」と言っていた方が、『調子が良くなった』という声も聞かれます。

心房細動治療をしたら CPAP療法が必要かもしれません

心房細動でカテーテルアブレーションを行った患者さんを対象とした研究で、CPAP療法が必要な(重症度の高い)睡眠時無呼吸症候群を有する患者さんについて、CPAP療法を行わなかった際に、カテーテルアブレーションを行った治療効果が十分に得られず、心房細動が高率に再発することが報告されています。せっかくカテーテルアブレーションを実施したにもかかわらず、放置した場合、何度治療を行ってもうまくいかない可能性があります。
まず、症状がなくとも睡眠時無呼吸症候群があるか、簡易検査を受けてみましょう。

J Am Coll Cardiol. 2013 Jul 23;62(4):300-5. doi: 10.1016/j.jacc.2013.03.052. Epub 2013 Apr 23.PMID: 23623910