かかりつけ医として

かかりつけ医を持ちましょう

かかりつけ医について、日本医師会では『健康に関することを何でも相談で、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれる身近にいて頼りになる医師のこと』と定義しています。健康診断から日常生活で起こるカゼなどから、高血圧症などの生活習慣病の管理を通じて、健康状態の把握をすることが、重症化しないためにとても重要であると考えます。

特に、ご高齢になると複数の疾患を抱えている方もいらっしゃいます。ポリファーマシー(多剤服用)により有害事象が問題になっていますので、経過を見ながらできるだけ適切な薬剤を使うことができるようにする注意は重要な課題です。このような場合はひとりの人間として横断的に診察することがかかりつけ医の強みであると思います。

特に心疾患は生活習慣と密接につながりのある疾患の一つです。こういった意味で普段、お気軽に相談していただき、必要なら医療面で早めの対策をとり専門医への的確な紹介ができるように心がけています。

かかりつけ医がいない場合、自己判断で受診を手控えたり、延期したり、間違った対応策を取っているうちに重症化してしまうといったことが起きることがあります。普段からこうしたことを意識することで、これらを防ぐことができます。

 

生活習慣病管理には定期受診が必要

生活習慣病は、高血圧症、糖尿病、高脂血症など、生活習慣によって発症する疾患の総称です。これらの疾患は、長期間の治療が必要であり、継続的な自己管理が欠かせません。

定期的な受診が望ましい理由は以下の通りです。

  1. 病気の進行を防ぐため 生活習慣病は、初期の段階では症状が出にくく、発見が遅れることが多いため、定期的な受診が必要です。また、市検診や人間ドックを行っておられる方も多いのではないでしょうか?これらを通じて、早期発見することにより、早期に適切な治療を行うことで、病気の進行を防ぐことができます。
  2. 治療の効果を確認するため 治療を開始した後は、継続的に医師と相談しながら、治療方針を決定していく必要があります。定期的な受診により、治療の効果を確認し、必要に応じて治療方針を見直すことができます。
  3. 健康管理のため 生活習慣病は、自己管理が欠かせない疾患です。定期的な受診により、健康状態を把握し、日常生活での食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直すことができます。健康管理により、病気の再発や合併症の発生を防ぐことができます。

以上のように、生活習慣病治療においては、定期的な受診が重要であると言えます。

特定検診を毎年受けましょう

毎年、秋に行われている特定検診・特定保健指導(通称、メタボ検診)を受けましょう。

メタボリックシンドロームとは、中心性肥満、高血圧、高血糖、高脂血症が同時に現れる症候群で、心血管疾患や糖尿病、ガンなどの生活習慣病のリスクが高まることが知られています。これらを予防、早期発見する目的に行われるメタボ検診を受けることのメリットは、以下のようなものがあります。

  1. 健康状態を把握できる
    メタボリックシンドロームは、症状が出にくいため、自覚症状がない人が多いとされています。検査を受けることで、自分の健康状態を正確に把握することができます。自覚症状がでたときにはかなり悪化していることもあります。ぜひ自覚症状のないときにこそ、積極的に健康状態を確認してください。
  2. 生活習慣の改善ができる
    メタボリックシンドロームは、生活習慣によって引き起こされることが多いため、生活習慣の改善によって改善することができます。メタボ検診を受けることで、自分の生活習慣について客観的な情報を得ることができ、適切な改善策を講じることができます。結果を説明する際に、具体的な目標値などを提示することを心掛けています。もし疑問点があればご相談ください。
  3. 早期発見につながる
    今や、多くのガンは早期発見で治る時代になってきています。メタボリックシンドロームも同様で、放置しておくと、心血管疾患や糖尿病などの合併症を引き起こす可能性がありますが、早期に生活習慣の改善をしたり、治療を開始したりすることで多くの疾患は予防、根治が可能なことがあります。定期的なメタボ検診を受けることで、早期発見につながり、合併症を予防することができます。

以上のように、メタボ検診を受けることで、自分自身の健康状態を把握し、生活習慣を改善することができ、さらに心血管疾患や糖尿病などの重大な合併症を予防することができます。したがって、定期的なメタボ検診を受けることは、健康維持のために非常に重要です。