自律神経性の失神・心臓病による失神

自律神経性の失神・心臓病による失神について

突然の意識消失、それは重要なサインかもしれません

失神とは、一時的に脳への血流が不足し、意識を失う状態を指します。
ほとんどの場合は短時間で回復しますが、その背景に重大な疾患が隠れていることもあります。
特に心臓病による失神は、命に関わるリスクがあり、早期の診断と治療が不可欠です。


失神の主な原因

1. 自律神経性失神(血管迷走神経性失神・反射性失神・起立性低血圧症)

  • 強い痛みや精神的ストレス、長時間の起立後などに、血圧や脈拍が低下し失神するタイプ。

  • 比較的良性で、生活指導や薬物治療により再発予防が可能です。

2. 心臓病による失神

  • 不整脈(徐脈、心室頻拍、心房細動など)

  • 心筋梗塞、心筋症、弁膜症

  • これらは突然死につながるリスクがあり、迅速な検査と治療が必要です。


こんな症状に注意しましょう

  • 失神前に胸痛や動悸を感じた

  • 運動中や直後に失神した

  • 家族に心臓病や突然死の既往がある

  • 失神の回復が遅い、けいれんを伴った

  • 繰り返し失神している

→当てはまる方は、すぐに医師の診察を受けましょう。


当院でできる検査

当院では失神の原因を迅速かつ正確に診断するため、以下の検査を行っています。

🩺 標準検査

  • 問診・診察(症状、家族歴、失神時の状況確認)

  • 心電図(ECG):不整脈の有無を確認

  • 長時間心電図:ホルター心電図(24時間心電図・1週間型):日常生活中の心拍変動を記録

  • 血液検査:心筋障害や貧血、電解質異常などの確認

🧪 さらに必要に応じて

  • 心エコー(超音波検査):心臓の構造やポンプ機能の評価

  • 携帯型心電計:運動中の不整脈や虚血の有無を調べる

  • 長時間心電図モニタリング(ループレコーダーなど)
    → 繰り返す失神に対して詳細な心電図記録を行うことも可能です。

  • 自律神経機能検査(シェロンテスト)
    → 起立時の血圧・脈拍の変動を見ることで、自律神経性失神の診断に役立ちます。


受診から検査・治療までの流れ

  1. 外来受診・問診・初期検査
     失神時の状況を詳しく伺い、心電図や血液検査を行います。

  2. 検査計画の提案
     必要に応じてホルター心電図や心エコーなど追加検査を提案します。

  3. 原因特定と治療方針の決定
     診断結果に応じて、薬物治療、生活指導、必要なら専門施設紹介も行います。
    治療について、薬物治療だけでなくチルトトレーニングや生活指導が重要な場合があります。
    病態の理解が、適切な対応につながるため、詳細をご説明します。

  4. フォローアップ
     定期的な診察で、再発予防と心疾患管理をサポートします。


最後に

失神は「一過性だから大丈夫」と思いがちですが、重大な心臓病のサインであることも少なくありません。
みわハートクリニックでは、失神の原因を見極め、適切な検査・治療を迅速に提供しています。

気になる症状がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。